古い浴槽でも蘇る?浴槽塗装で見た目・使い心地を一新する方法と注意点

New

長年使っている浴槽のくすみや汚れが気になってきたけれど、「交換するほどじゃないかも…」と感じていませんか?

実は、古くなった浴槽を新品のように蘇らせる方法として「浴槽塗装」が注目されています。

浴槽を丸ごと交換するよりも費用を抑えられ、工期も短く、廃材も出ない──そんな手軽なリフォームが可能です。


ただし、塗装に向かない素材や施工リスクもあるため、安易にDIYに手を出すと逆効果になることも。この記事では、「古い浴槽に塗装は本当に有効なのか?」という疑問に答えつつ、費用相場・塗装できる素材・失敗しないポイントなどを、わかりやすく解説します。


≪目次≫

・古い浴槽でも塗装できる?判断ポイントと対応素材

・浴槽塗装にかかる費用相場と価格の決まり方

・古い浴槽を塗装するメリットと注意点

・塗装できる浴槽とできない浴槽の違い

浴槽塗装を業者に依頼する際のポイント

・まとめ


■古い浴槽でも塗装できる?判断ポイントと対応素材

-古くなった浴槽でも再生できる?

築10年以上経過した浴槽では、ツヤの消失やザラつき、黄ばみ、細かいヒビなどが目立つようになります。こうした劣化があっても、必ずしも交換の必要はありません。塗装によって表面を補修・再コーティングすることで、美観を回復できるのです。

見た目だけでなく、表面の防汚性やカビの抑制効果も復活するため、使用感そのものが大きく変わるケースもあります。


-浴槽塗装とはどんなリフォーム?

浴槽塗装とは、専用塗料を用いて浴槽表面に新たな膜を作る施工です。下地を洗浄・研磨し、塗料を吹き付けまたは塗布して表面を再生します。一般的にFRP(繊維強化プラスチック)や人工大理石の浴槽に適しており、3〜5年程度の耐久性が期待されます。

部分的な塗装や色の変更も可能で、既存の浴槽を活かしつつ、低コスト・短工期で見た目と機能性を改善できます。


-浴槽交換と比べたときのメリットは?

浴槽を交換するとなると、解体・処分・搬入・取付などにコストと時間がかかります。浴槽の素材や構造によっては50万円以上かかるケースも。

一方で塗装なら、最短1~2日で完了し、費用は10万円前後に抑えられることが多いです。ユニットバス全体を改修せずに済むため、生活への影響も最小限。

「機能はまだ使えるけど、見た目だけ直したい」という方にとって、非常に効率的な選択肢といえます。


-すべての浴槽に塗装できるわけではない

ただし、すべての浴槽が塗装に向いているわけではありません。ホーローやステンレス製の浴槽は塗料の密着性が低く、施工が難しいとされており、業者によっては断られるケースもあります。


また、劣化が激しい(内部まで腐食・破損している)場合には、塗装では対応できず、交換が推奨されることも。

そのため、まずは浴槽の素材・劣化状況を専門業者に診断してもらうことが重要です。


■浴槽塗装にかかる費用相場と価格の決まり方

-一般的な浴槽塗装の費用相場

浴槽塗装の費用は、8万〜15万円前後が相場です。素材や形状、塗料のグレード、施工の難易度などによって価格帯は変動します。例えば、据え置き型の浴槽であれば10万円以下で済むケースもありますが、埋め込み型や特殊形状の場合は15万円以上になることもあります。


-素材や塗装箇所による違い

塗装対象が浴槽のみか、床や壁も含むのかで価格が大きく異なります。参考価格は以下の通りです:

浴槽塗装のみ:8〜15万円
壁面のみの塗装:9〜13万円
浴室床の塗装:5〜9万円
浴室全体:20〜25万円

※上記は一般的な平均の価格です。状況や施工の内容・方法、業者によって変動いたします。


また、FRPや人工大理石は塗料の密着が良いため一般的な価格で施工可能ですが、ホーローやステンレスになると下地処理や特殊プライマーが必要になり、割高になったり施工不可になることもあります。


-下地の状態によって追加費用が発生する場合

浴槽にヒビ割れ・深い傷・サビ・剥離がある場合、補修や下地調整の工程が追加されます。これにより、1〜3万円程度の追加料金が発生するのが一般的です。

また、防汚・防カビ目的でクリアトップコートやフッ素系仕上げを追加する場合も別料金(1万〜2万円程度)になるケースがあります。


-見積もり比較で費用と品質のバランスを取る

業者ごとに価格設定や施工範囲が異なるため、最低でも2〜3社から相見積もりを取るのが理想的です。費用の安さだけで選ぶと、保証がつかない、耐久性に不安があるなどのトラブルに発展する恐れがあります。

「安く済ませたいけど、見た目や耐久性にも妥協したくない」という方は、実績・塗料の種類・保証内容を比較して選ぶようにしましょう。


■古い浴槽を塗装するメリットと注意点

-まだ使える浴槽を再生できる

浴槽塗装の最大のメリットは、浴槽自体を交換せずに再生できる点です。経年でくすみ・変色・細かい傷が気になってきた場合でも、表面を塗装することで見た目が新品同様になります。

素材の劣化が軽度であれば、塗装だけで十分に延命でき、買い替えコストを回避する手段となります。


-リフォームよりも費用と時間を抑えられる

浴槽交換やユニットバスのリフォームでは、25万〜80万円以上の費用と3〜7日間の工期がかかることもあります。それに比べて浴槽塗装は、費用を10万円前後に抑え、1〜2日で完了するのが特徴です。

「最低限きれいにしたい」「生活への支障を最小限にしたい」といったニーズにマッチする手法です。


-特殊なサイズやデザインでも対応できる

既製品の浴槽と違い、変則的なサイズ・形状の浴槽でも塗装なら対応可能です。昔ながらの埋め込み型や、輸入製品の浴槽など、交換に手間や費用がかかるケースでも、塗装であれば比較的スムーズに施工できます。

「今の浴槽が気に入っているけれど、劣化が気になる」という方にとっては理想的な選択肢です。


-ただし、機能面の改善はできない

一方で注意点として、塗装によって断熱性・保温性・追い焚き性能などの機能は改善されません。また、浴槽そのものの耐久寿命を延ばすことも難しいため、根本的な解決を求める場合は、浴槽交換を検討する必要があります。


■塗装できる浴槽とできない浴槽の違い

-塗装に適している浴槽素材:FRP・人工大理石

浴槽塗装に最も適しているのは、FRP(繊維強化プラスチック)製や人工大理石製の浴槽です。

これらの素材は塗料が密着しやすく、表面に適度な凹凸があるため、仕上がりがきれいに出やすい特徴があります。

施工後の耐久性も安定しやすく、塗装後3~5年程度は効果を維持しやすいとされています。


-塗装に不向きな素材:ステンレス・ホーロー

一方で、ステンレス製やホーロー製の浴槽は塗装に不向きです。

これらの素材は表面が滑らかすぎるため、塗料の密着性が非常に悪く、剥がれやすくなるリスクが高いとされています。

特にホーロー浴槽はガラス質のコーティングが施されており、塗装後に追い焚き機能が使えなくなる場合もあるため、注意が必要です。


-自宅の浴槽が塗装できるかを見極める方法

浴槽の素材が不明な場合は、次のようなチェックポイントが参考になります:

表面にツヤがあり軽量 → FRP製の可能性が高い
やや重く、光沢が鈍い → 人工大理石製の可能性あり
表面が金属っぽく冷たい → ステンレスの可能性大
表面がガラスのように硬く滑らか → ホーローの可能性大

不安な場合は、業者の無料診断や現地調査を活用し、確実に判断するのがおすすめです。


■浴槽塗装を業者に依頼する際のポイント

-経験豊富な専門業者を選ぶ

浴槽塗装は高い技術力と塗料の知識が求められる専門性の高い施工です。

そのため、安易にリフォーム全般を扱う業者に依頼するのではなく、「浴槽塗装の施工実績が豊富」かつ「自社施工」している業者を選ぶことが大切です。


口コミや施工事例、施工年数なども確認し、「FRP・人工大理石浴槽への施工経験があるか」も見極めましょう。


-保証制度があるかを確認する

塗装工事は、施工後すぐに不具合が出るリスクもゼロではありません。

そのため、「剥がれ保証」や「無料再施工対応」などの保証制度の有無を必ず確認してください。

特に1~2年以上の保証期間を設けている業者は、仕上がりに自信を持っている証拠といえるでしょう。


-塗装とコーティングの違いを理解する

「塗装」と「コーティング」は混同されがちですが、用途と効果が異なります。


塗装:傷や変色のある浴槽を下地処理から塗り替え、見た目を一新する本格的な施工
コーティング:美観を保つための表面保護であり、塗装ほどの補修力はない


コーティングだけを行っても、既存の傷や変色は改善されません。求める仕上がりに応じて、正しく使い分けることが重要です。


■まとめ

浴槽塗装を成功させるためには、経験豊富な専門業者の選定が何より重要です。

塗装実績の有無や施工対象の素材(FRP・人工大理石など)への対応力、明確な保証制度の有無を事前に確認することで、施工後のトラブルリスクを減らせます。


また、「塗装」と「コーティング」は目的が異なるため、求める効果に応じて正しく選択することが大切です。

単なるツヤ出しや汚れ防止ならコーティングで十分ですが、見た目の補修や傷の改善を望む場合は、塗装施工が必要です。


信頼できる業者を選ぶことが、費用対効果の高いリフォームを実現する第一歩となります。